生きてるだけで精一杯。
SS戦闘記録
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 2012.12.18.学研刊、ジェームス三木著。
 来年頭にジェームス三木脚本で『白虎隊』をやると聞いて、その原作に当たる本なのかなぁと思って買って来ました。

 内容は、西郷頼母の眼から幕末~戊辰戦争終結までを描いたものです。

 最初は、幕府重視で藩財政を顧みない容保に激怒し、領民は苦しんでるんですぞと諫言しまくっていて、こりゃーこの先どうなるか分からんぞとwktkしながら読んでいたのですが……官軍が攻めて来ると、途端に掌を返して徹底抗戦派に。あ、あれ? 本当に農民の事を考えてたら、史実の頼母と同じく恭順派になるはずなのに……なんで? ここで抗戦しちゃったら会津は火の海だよ?? つか、冒頭の「人間は被害者意識ばかり持つが、被害者は同時に加害者なのである…」なんて書き出しは、あからさまに「被害者」会津が同時に農民に対しては加害者であった事を示唆してるんじゃなかったの? これで「会津一億火の玉だ!」じゃ、冒頭の話は意味がなくなっちゃうんじゃ……??

 まぁ、ジェームス三木程の御大を以ってしても、観光史観の牙城・会津は崩せなかったって事なんでしょうねww
 それでも最後の最後で、百姓が決起して落ち武者狩りを行い、頼母がそれに絡まれるシーンや、母成峠失陥の理由に会津の内政の悲惨さを上げてるシーン等、他の会津マンセーの流れと繋がらない、一見ちぐはぐなエピソードを挿入したのは、ジェームス三木一流の抵抗……と深読みできなくもないです。
 特に横山主税にションベン漏らさせた小説家は、多分この世に一人だけでしょうwww 何か会津に含むところがあったのかも知れませんね(意味深

 その他、気になるところを幾つか。

1)孝明天皇暗殺説を採用
 いや、これはもう否定されちゃってるんですが……wiki参照。

2)坂本龍馬暗殺の黒幕は薩長
 えええええ
 手代木直右衛門の手記で「某諸侯の命を受けて弟に暗殺を指示しますた」ってあるのにw

3)遺体埋葬禁止令
 会津がなかなか降伏しないから、怒った官軍が会津兵の遺体を掘り返して野晒にしたって……ああ、戊辰戦争後に出されたという「遺体埋葬禁止令」が無かったって分かったから、戦争終結前にずらしたんですねwwwwなるほどwwwwwwww
 そんな軍令が見付かったら大発見だと思うので、是非巻末で解説書いてる☆先生に伝えてあげて下さい。

4)白河城の戦いの描写が薄すぎる
 作中では白河城は一度の攻撃で陥落してますが、官軍に依る攻撃は二回です。
 まぁ、全体の流れには余り関係ないから良いんですが。

5)白虎隊が火縄銃持ってるww
 出陣前に土方に元込銃の撃ち方習ってるのに、持って出た銃は何故か火縄銃ww
 てっきり、所謂マンソー騎兵銃説@中村彰彦を採用したかと思ったのにwwww

6)東武皇帝ばんざーい!
 先帝の信任を受けたのに、その後継者を尊重せずに勝手に弟を立てて敵対する事について、容保は全く良心が痛まなかったのかなぁ。このシーン、部下が盛り上がってるだけで容保公出て来ないし。折角東武皇帝出したんだから、是非ジェームス三木流解釈でこの時の会津候の心境を描いて欲しかったです。それが歴史小説の醍醐味ってもんでしょ?

 突っ込みどころは主に後半で、後ろに行けば行くほど構成の乱れが酷いです。
 しかも、巻末には取ってつけたような☆先生の解説……やっぱり、完成間際で妙な具合に干渉されたのかなぁ。



【総評】:前半名作、後半凡作。
 穿った見方をすると、小説書いただけでこんだけ干渉されるんじゃ、ドラマなんて相当「監修」されてるんじゃ……!?
 当日は十分な「覚悟」を以って臨みたく思いますww
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌

 2012.06.27.幻冬舎刊、三谷幸喜著。
 只管清州会議ばかりを追いかけるという異色の歴史小説。
 同時に、12人の優しい日本人とか笑の大学を書いた三谷氏らしい作品でもあったり。

 内容の方は、相変わらず裏方目線w
 一応秀吉と勝家の角逐がメインなんだけど、接待役の前田玄以が一番輝いてると思います。朝礼とか、王様のレストランかよwwww
 あと、イノシシwww独白すんなwwwww

 他には、損得勘定で動く!と自他共に認める池田恒興のキャラ造形が面白かったですね。こういう憎めない小物を書かせると本当に上手いなぁ。

 ただ、最後のオチがちょっと弱かったなぁ。
 三法師って松姫の子供だっけ? 確か松姫は信忠に嫁がず、武田滅亡時には北条に逃れた筈なんだけど。まぁ、そう言う設定なんですと言われりゃそれまでなんですが、歴史マニアとしてはちょっと残念。


【総評】:ぼちぼち面白かったです。ただ、歴史の流れを知らないとちょっと厳しいので、三谷ファンだけど歴史はわからん、と言う人は避けた方がいいんじゃないかと。

テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌

歴史REAL vol.7 2012.07.04.洋泉社刊、洋泉社MOOK所収。

 「新政府は何故、幕府軍に勝利を収められたのか?」と言う幕末ミリオタ垂涎の見出しに惹かれて購入……したけど、ミリ関係の記事はその一本のみ。しかも、「幕府軍が勝手にミスって滅びました」ってorz
 いやまぁ、確かに行軍モードのまま薩摩軍の野戦陣地にひょこひょこ現れる幕府軍が悪いんですけどww

 その他の記事も酷いのが多い。

「奥羽列藩同盟は国家だったと言えるのか?」 藤井尚夫
 政府も領土も領民もいるから国家だよ! 近代的な意味での国民は居ないけど、ドイツ帝国もそうだったし、領邦国家だってことにしとけば問題ないよ!!
 …って言いたいみたいなんですが、それだと会津藩は朝廷に弓引いた逆賊ですよねwww 君側の奸を除きたいのであれば、国家の枠組みから出たらいかんと思うのですが。つか、外国だったら明治政府の政策に反対するのは内政干渉で、白河城を奪うのは侵略だと思うんですが。その辺、会津の人たちは気にしなかったんでしょうか。アレほど目を掛けて貰った孝明天皇の息子さんから離反し、別に帝を立てるとは何事か!? とか。

「病死説と毒殺説、孝明天皇の死因の真相は?」 中村彰彦
 病死説のスタンダード、原口論文への批判。
 典医の「21日には回復傾向に至った」と「24日夕方になって急転直下、病状が悪化した」と言う証言を元に、病死説を否定してるんですが、肝心の原口論文で既にその論拠は否定されてるんですよね。側室の書状etcから、「公式発表では回復傾向って言ってるけど、本当はヤバい」って。当時の政局に鑑み、病状を隠してたんじゃないかって。中村先生も原口論文を批判するなら、ここを覆せる資料を用意しないと。
 一昔前なら、こうして歴史読本とかで勝手な説を唱えれば、恰もそれが通説かの如く広まったけど、今じゃwikiやらなんやらで幾らでも反証集められるんでw

「『討幕の密勅』は本当に本物の勅書だったのか?」 同上
 これは…うーん、既に「薩長は横暴!」と結論づけてる人が、改めてこんな書式が違うから偽物だって言ってもどれほど意味があるのかなぁ。書いてあることはどれも事実なんだろうけど、結局当時の人がその書式の違いを元に論戦を挑めなかった以上、今更偽勅と主張してみても意味が無いです。多分、当時の会津藩要路に「これは偽造ですぞ」と教えても、それで形勢が逆転できたものか、どうか。

「徳川慶喜は本当は『大政奉還』していなかった?」 岩下哲典
 これは言葉遊びだよなぁ。

 面白い記事もあるんですよ。岩倉具視が孝明天皇を奉じて摂関政治を打破しようとしていたとか、薩摩藩の記事では義忠の動向に少ないながらも行数を割いてたり。でもなぁ、肝心の看板記事である「7つの謎」の内4つがコレではなぁ……。

【総評】:ネタとして「特別保存」ですな。
 「入門」なんだから、無理せず通説と愉快エピソードだけ拾って、「REAL(キリッ」とかやってりゃ良かったのにw どうしてこーなったwww

テーマ:歴史全般 - ジャンル:本・雑誌

 2012.05.01.角川書店刊、角川スニーカー文庫所収。著:竹井10日/イラスト:かれい。堅い本ばっかりだと思われるのもオタク野郎としての沽券に関わるので、ちょっとラノベも混ぜてみる。

 内容は、廃校に閉じ込められた主人公と妹とメイドとツンデレとキリデレと男の娘が、謎の人物から表題の通り命ぜられ、頑張って恋愛する話です。
 まーぶっちゃけソウの恋愛Verです(^^;

 地の文や会話文がテンポ良く面白いのは、竹井先生だからもう今更あれこれいう必要も無し。今時のネタもきっちり取り込み、ギャグ系のラノベ作家としては他の追随を許しません。多分。
 ただ、竹井先生と言えばギャグパートの面白さと、中二臭いシリアスパートとの落差が難点。例えば東京皇帝なんかでも、合間合間にちょくちょくFSSの騎士っぽい人々の話が飛び込んできて、結構気恥ずかしい思いをしたものです。これが有るから、人に薦めにくいんだよなぁ。でも、どんな作品でも(エロゲ時代、或いはウェブサイト連載小説の頃から)絶対にコレ突っ込んでくるくらいだから、相当好きというか、この厨二設定を書きたいから他のラブコメや漫才パートも書いてるんだろうなぁ……と、毎回微妙な気持ちにさせられたものです。
 しかし、この作品では物語の根幹を「恋愛」に置いているので、盛り込んだ設定とラブコメの乖離は然程酷く有りません。これなら、何とか他の人にも薦められそうです。あー良かった。

【総評】:ちょwww何だか竹井先生の中二病を否定するだけで終わってしまったwwwwww
 でも、キャラの立て方や、そこから繰り出される会話はホント面白いです。どーせラノベってのは突き詰めるとそれしかないんですし(ぉ
 特に妹。P.213からの洗脳は面白いというか怖いというかw

テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌

 2012.06.10.文藝春秋刊、文春文庫所収。著:小前亮。

 モンゴル帝国と言えばジンギスカンと、その後継者の流れを追い、かつ耶律楚材大先生の活躍なんかを描いちゃったりするのが普通なんですが、これは視点を変えて帝国の西の果て、キプチャクハン国の始祖バトゥの西征をメインに描いてます。
 メジャーな時代でマイナーを描くという王道の歴史小説で、非常に面白かったです。ノブゴロド公国の姫君とか出して、ちょっとドライな恋模様を描いた創作も入ってますけど、飽くまで全体のダイナミックな動きを阻害しないレベルですし。
 主人公もバトゥ固定で読みやすく、個人的には、昨日の作品よりこっちの方が好きですね。

 ただ、に上げた本と同じくやっぱり解説がヒデエwww

「この作品のテーマは、なぜバトゥの西征が止まったかである…」→んな話じゃないですwww ただただ、バトゥが己の国を広め、守る話でした。もしかしたらクビライ主人公の続編にそんな話も有るかも知れませんけど、少なくとも、この作品のバトゥはモンゴル帝国の内紛を治め、さぁ自分の領土を広げるぜ!! で終わってます。つまり、歴史的には確かにここで打ち止めなんですが、作品的にはまだ西征は終わってないんです。当然、「西征が終わった理由」なんて書いて有りません。

「この作品はモンゴルと西側諸国の接触がメイン。もしもバトゥが主人公でなかったら、リグニッツァの戦いも報告のみで終わっていたであろう」→いや、この作品でもバトゥはハンガリー攻めを指揮しており、別働隊のリグニッツァ(世界史的には、ワールシュタットの戦い)に関しては、報告のみなんですが……あの、ちゃんと読んでます?

「そう言えば、世界に一番DNAを振りまいた種族は、チンギスハンとその一族らしい。この作品のタイトル『蒼き狼の血脈』の裏にはそんな意図が…」→だーかーらー、んな話じゃねえっての。途中恋仲になりそうだったヒロインとも、結局ナニもしないで別れてるくらいなんだから……

 一体全体、こんな酷い解説を書く奴は誰だー!? と厨房に飛び込む海原雄山ばりの勢いで名前を確かめたら、何と塚本青史センセでしたwwwwwwwwwww五石散()

【総評】:まぁ、解説なんて誰が書いても一緒だし、若手の作家にまで一々気の利いた解説者を付けてらんねーよと言う出版社側のフトコロ事情も分からなくはないんですが、これはひどいwww いっそ解説なしでお願いしたいです。読後感も悪くない、割りと面白い作品だったのに、全て台無しですorz

テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌



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