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SS戦闘記録
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桜田家のヒミツ 2008.06.10.メディアワークス刊、電撃文庫所収。著:柏葉空十郎/イラスト:りょーちも
粗筋──
 悪の秘密結社の戦闘員・桜田源之助は、家族持ちであると云う理由から組織が誘拐した真木家の令嬢・麗華の面倒を見る羽目に。
 我儘な麗華に手を焼く桜田一家だが、やがて麗華も家族の絆の温かさを知り、打ち解けて行く。しかし、其処に警察の捜査が迫って来て……。
 「悪の戦闘員」モノと云うテーマは、実はラノベの素材としては非常に在り来たり。電撃だけでも高畑センセの「H2O」やらデュラララの人の「世界の中心、針山さん②」等、偉大過ぎる先達がゴロゴロ……そんなクルスクのPAK陣地みたいな危険地帯に乗り込んで来たこの「桜田家」、一体どんな「戦闘員」を見せてくれるのか?!

 先ずはストーリー。概ね王道。但し、主人公が元大工の頑固親爺で小心者と云う造形は良かったと思います。それでこそ、最後の戦いの決心が生きて来るわけですし。まぁ、お陰でラノベのバリューゾーンである高校生が感情移入し難く、売上的には微妙になりそうですがw(その分息子をショタキャラにして売り上げの補填を図っているのかも?
 但し「桜田家のヒミツ」と云うタイトルだけに他の戦闘員モノとはことなり、飽くまで桜田家の食卓をクローズアップしており、悪の組織は途中でフェードアウト。クライマックスは一家と麗華のみで語られる。それまで組織モノとしても盛り上がっていただけに、此処は若干物足りなさが残る。

 次いで設定面。一般企業っぽい悪の秘密結社と云うのは、ストイックな組織であるH2Oや古式床しい組織であるデュラの人の作品と差別化出来ていて良かったです。作者が民間企業で正社員として働いた経験は無駄じゃなかったってわけですな。
 また、戦闘員独特の掛け声「きゅい」「きー」が、実はデジタルに暗号化された通話と云う辺りは面白かったです。思わず納得してしまったw
 ただ、経理をやり込める描写は余計だったのでは? 現に使い込みをした田中が追い詰められているように、税務署は来なくても内部の監査は有るので、領収書はやっぱり必要です。と云うか、田中の使い込み事件の影響で経理の審査を厳しくするように本部から指示が有ったと考えれば、お局様の云う事も一理あるし、他の経理の人もお局様の苦境を見て溜飲を下げてる場合じゃないと思うんだけど……多分、柏葉センセは会社で厭な目に有ったんだろうなぁw 社会経験がマイナスに働いてしまった一例かも知れません。

 イラスト。トーンを一切使わない素朴な絵柄は賛否が分かれそうですが、内容とマッチしていて個人的には良いと思います。
総評:全体に手堅い印象を受けました。流石、応募総数30回は伊達ではありません。
 最後の纏めが唐突な感じですが、多分続編への引きなんでしょう。大作家のように最初から2巻が約束されているわけではないのでオチは必要だが、かと云ってすぐ次に繋げない新人作家にもデビューの可能性は無い……苦しい条件でよく頑張っていると思います。
 ただ、矢張りそれでも組織が源之助にどんな対応をしたのかくらいは知りたかったです。評価は☆☆。
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テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌



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