生きてるだけで精一杯。
SS戦闘記録
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 2005.07.19.PHP研究所刊、PHP文庫所収。著:桐野作人。
粗筋……
 戦国時代、薩摩国の片隅に割拠した島津氏の当主義久が、厳しい戦いを経て薩摩を統一し、大隈・日向そして九州全土を統一して行く様を資料に即して描いた歴史教養書。
 桐野作人氏は戦国時代を舞台にした架空戦記モノで有名な作家。それだけに、島津義久とその弟達の絆を描いたり、立てても居ない武功を捏造するものとばかり思いきや……意外にも、島津義久・義弘兄弟の表には出ないが激しい鬩ぎ合いを真正面から描いた結構な力作になっていました。
 こうした対立を描いた作品には、他にも新田次郎賞・柴田練三郎賞受賞作家の池宮彰一郎氏の『島津奔る』があります。しかしこちらは飽くまで武勇絶倫の義弘の視点から描いた作品で、島津家の最高責任者である義久の苦悩には敢えて踏み込まず、悪役として単純化して描いている為、読者は爽快ですが少しでも戦国史を知ってしまっている者には些か物足りない内容でした。その点、無名作家の手になるこの「島津義久」は義弘の軍令違反やそれによって生じた家督継承権の移動、次々と死んで行く義久系の子孫達、そしてDQN家久(忠恒)の悪辣な振る舞いetcを正面から描き、往々にして抱かれがちな「島津は義弘を中心に四人兄弟ががっちりスクラムを組んだ立派な家」と云う固定観念をきっちり打ち崩す力を持って居ます。池宮氏の義弘マンセーに騙されちゃった人は、是非ご一読願います。
総評:とはいえ、矢張り主役が「九州統一は弟達のお陰、私は何もしていませんよイエヤスさん」の義久では、小説としては盛り上がりに欠けるのも事実。一般の方にはお勧め出来ない一冊。
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