生きてるだけで精一杯。
SS戦闘記録
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哀しみキメラ 2006.02.25.メディアワークス刊、電撃文庫所収。
 著:来楽零/イラスト:柳原澪

Story──
 偶然エレベーターに乗り合わせた矢代純、十文字誠、水藤深矢、早瀬綾佳の四人は、<モノ>と言うモンスターに憑依され、高い身体能力や霊能力、そして人を食べてしまう本能を手に入れてしまう。彼らは、<モノ>を退治する「モノ祓師」である七倉和巳に保護され、うっかり人間を食べちゃったりしないように共同生活を送りつつ、モンスター退治を手伝う事に。しかし、妹を陵辱されて激怒した水藤が暴走、レイプ犯を食べてしまった事から事態は急変。七倉は他のメンバーと共に水藤を狩ろうと計るが……四人の運命や如何に。

 とか引っ張っておいて恐縮なんですが、四人が相互に対立して仲間割れか!? と云うところで早瀬が京都にある封印を解除して京都にモンスターを解き放ち、七倉達が四人組を頼らざるを得ないようにしてしまいます。四人が生き延びる為には名無しが何人死んでも気にしませんか、そうですか。

 全体に、破綻も有りませんがこちらに訴え掛けて来るシーンも無いんですよねー。
 ただ一人十文字のみが「人を喰ってでも生き延びる!」等と気を吐いていましたが、これも途中で死んでしまうし、ひたすら平坦にスタートして盛り上がりも無く終わってしまう感じです。萌えも燃えも無く、かと云って目を剥くようなギミックも無い……うーん、兎に角「坦々」でした。

 勿論全く見るべき所が無いと云うわけでは無く、四人が共同生活を行い、親しい人と軋轢が起こったり仲間内で「人を殺してでも生きるべきか」とか「七倉と戦うべきか」について議論するシーンはなかなか各キャラの内面に踏み込んでいてリアル風味で面白いです。しかし、そーやってメインキャラに関する部分はリアルに丁寧に描けば書くほど、京都のパンピー10万人は見捨てると言う矛盾が鼻に付くんですよね。仲間が死んだり手を汚すのはイヤだけど、その為に京都にモンスターを解放するのはokって、それ何処の種死?w

 ただまぁ、こうした作品が「世界=トモダチ」と云う最近の若者や女性読者の感性に合っていると云うのであれば、仕方が無いような気もします。結局、老兵は消え去るのみなんでしょうね……。
【総評】:小官的には、この作品が銀賞「火目の巫女」より上なのは納得行きませんが、若者や女性に向けたアッピールならば寧ろ合理的ですね(イラストレーターの柳原澪氏のサイトも、辛うじてヤオイでは無いものの「■当サイトは女性向け二次創作イラストサイトです。」って宣言してるくらいだし……)。電撃大賞の商魂に敬服です。
 但し、一読者として星は飽くまで一つ。時代のパイオニアとしての栄誉に満ち溢れた「昔の電撃大賞」を求める者は他を当たられよ。
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テーマ:ライトノベル書評 - ジャンル:本・雑誌



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