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女信長 2006.06.30.毎日新聞社刊、ハードカバー。著:佐藤賢一。

粗筋──
 織田信長は実は御長と云う女だった! 女性視点から天下泰平を目指す御長は、同じく天下泰平を目指す明智光秀と力を合せ、諸国の「男」に戦いを挑む。しかし、更年期障害で疲れ果てた御長は、いつしか「朝廷攻撃」と云う短絡早急な手段に訴えるようになってしまう。「織田信長」を支えて来た光秀は、御長をその宿命から解放する為に遂にある一手を打つ。その一手とは……?!

 最初に手に取った時には、余りにストレートなタイトルから謙信公劉備アーサー王に続いて信長まで「女」化かよ! 等と失笑せずにはいられませんでしたが……そこはそれ佐藤賢一、色物めいたタイトルにそぐわない(?)読み応えの有る作品に仕立ててくれています。

 勿論フィクションでは有るのですが、女なればこそ、如何にも男が好きそうな腕力や職人的な武芸、精緻な戦術に頼らず、鉄砲・長槍と云う画期的な「アイデア商品」で片を付けたり、男のようにあちらもこちらもと食指を動かすのではなく一途に京都を目指したり等、思わず唸らされてしまう描写があるのも確か。
 特に「戦国時代が終わらないのは、男達が合戦を楽しんでいるからだ!」と云う指摘には、SLGゲーマー・サバゲーマーな小官は愕然としてしまいました。うーむ、確かに「信長の野望」とかでも態々姉小路で始めて強くなったら止めるとかやっちゃうし、サバゲーでも全員でフラッグの脇で待ち伏せをしていれば勝利は確実なのに何故か「三方に別れて進撃!」とかやっちゃうからなぁ……(^^;

 そしてラスト、天下統一による平和を共に目指して来た筈の光秀が矢張り自分の「仕事」が好きなだけの、所詮は「男」だったと明らかになり、更にその「男」の筈の光秀が自分の全仕事を擲って御長を助けてくれたり、更に更にその後、天海と素性を変えてからも「やっぱり仕事は止められない」とにやつく辺りのドンデン返しの連続は正に圧巻。全500ページの大作ですが、最後までページを捲る手が止まらない「面白い」作品でした。
【総評】:歴史上の有名人を女性に比定した作品でありながら、単なるフェミニズムに終わらない生き生きとした人間描写が良かったです。読後感も非常に爽やかで、歴史ファンには是非お勧めしたい一冊です。
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌



コメント
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うっわ。感想読んでるとすっげえよみたいんですけど。
本屋で手に取ったとき、タイトルだけで一笑に付した私のミスですかw;?
2006/08/07(月) 22:38:16 | URL | by黒木竜 (#-) [ 編集]
>本屋で手に取ったとき、タイトルだけ
>で一笑に付した私のミスですかw;?
 いやいや、こんなタイトルにした作者(編集?)のミスでしょうw

 佐藤賢一の本は基本的にどれも当たりなので、読んで見てもいいとは思います。
 但し、某宮城谷先生と同じく「どの作品も時代が違うだけでキャラは似たり寄ったり」だったりするので、Amazonで佐藤賢一の著作一覧を検索して自分の好きなジャンルのを一冊読めば事足りると思います。
2006/08/08(火) 00:58:55 | URL | by軍曹@管理人 (#mQop/nM.) [ 編集]

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