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戦国武将名言録 2006.07.19.PHP研究所刊、PHP文庫所収。著:楠戸義昭

概要──
 戦国武将の残した名言を、「リーダーとして将はいかにあるべきか」・「武士たる者は……」・「戦いに臨んでの腹の括り方」等の10項目に分けて紹介した歴史教養書。

 PHP研究所と云う版元、リーダーとか組織経営とかの章タイトルから、如何にも「戦国時代を題材にした経営ノウハウモノ」っぽく見えますが、そこはそれ、マイナー戦国時代を書かせたら右に出る者は居ないとゆー知る人ぞ知るマイナーメジャー・楠戸センセイの著作。登場する武将も、内藤如安・島津“いろは歌”忠良&“捨がまり”豊久・井伊直孝・立花道雪・佐久間信盛・明智秀満・堀尾吉晴・多胡辰敬・三好長慶・武井夕庵・伊勢貞親・大村純忠etcと、普通の「サラリーマン処世訓」では滅多にお目に掛かれないような顔ぶれです。
 勿論、戦国初心者向けに信長や家康と云った有名武将のエピソードも収録されて居ますが、その台詞はかなり厳選されており、退屈なお為ごかしのエピソードは殆ど有りません。例えば伊達政宗に関しては禅僧とのやりとりなんかはばっさり斬られ、変わりに「あー、また合戦してー!」とか「持成しの為には自ら厨房に立つべし」とか、かなりプリミティブな政宗観が提示されていて、戦国マニアでも楽しめるように工夫されています。

 なお、個人的に一番面白かったのは、加藤明成の家臣加賀山小左衛門のエピソードでした。

「加賀山小左衛門の進言」(p.152より)
 大坂の陣前夜、加藤軍は大坂城の手前に流れる神崎川の前に出た。熟練の家老は自軍の無意味な損害を恐れて明朝の渡河を進言した(これは合戦の作法としては正しい)が、それに対して加賀山は

「天下を握る徳川家に味方しての戦いなので、勝負に拘る必要はございません。後々の事も考えなくてもかまいません。ただ他家に先だって戦う事を専らにすべきです。他家に遅れを取れば、たとえ軍は無事であっても国を危うくします。天下が分裂し、隣国と互いに戦った戦国の世と徳川の世では、その道理が変わったのです」

 と云って夜半の、他家に先駆けての渡河を進言した……戦国の合戦と江戸期の合戦の違いを上手く言い表したお話。


 その他にも、マイナーなエピソードを多数収録しており、非常に楽しめる一冊でした。
【総評】:一章1ページと言う読み易い構成で、仕事でくたくたになったサラリーマンが21時発の電車でまったり読むには最適の一冊。評価は☆☆☆☆★。
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌



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