生きてるだけで精一杯。
SS戦闘記録
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女甲冑録 2006.09.30.文芸春秋刊、ハードカバー。
 著:東郷隆。

粗筋──
 今川家中きっての美少女・田鶴は、また同時に武芸の達者であり、なまかまな男は寄せ付けない女丈夫であった。しかし、武勇の士で尚且つ女性を差別しない曳馬の若き城主・飯尾連竜と出会い、二人は結婚する。
 全盛期の今川家を背景に、新婚生活を愉しむ連竜と田鶴。だが、今川義元が桶狭間で戦死した事から事態は急変し、猜疑心に捕らわれた今川氏真は連竜を暗殺してしまい、曳馬城もまた武勇の士・朝比奈泰朝の精鋭に包囲されるのであった……果たして田鶴の決断は!?「朱の面頬」より)
 その他、三村の鶴姫を描いた「黒髪の太刀」、巴御前の「天冠」、忍城攻防戦中の甲斐姫を描いた「忍城の美女」富田信高の妻の大活躍を描いた「青黛」、大三島水軍を率いた鶴姫を描いた「つる姫奮戦」と云った短編五編も収録。

 メジャーからマイナーまで、幅広く女武者を選んだ短編集。

 内容は、「女甲冑録」と云う如何にもなキャッチフレーズとは裏腹に、結構硬派な歴史小説となって居ます。
 特に女性が主人公だからと云って単純な女性賛歌に陥る事無く、合戦も政略も怜悧に描いている辺りは、流石超硬派歴史作家・東郷隆と云うべきでしょうか。例えば「つる姫奮戦」のヒロインである鶴姫は、葉武者ながら態々敵軍から寝返って来た主人公の事など洟も引っ掛けず、イケメン貴公子といちゃつく冷酷な姫君として描かれています。逆に彼女の為に故郷を捨て、先陣切って奮戦し、最後は僧侶となって去って行く主人公に哀愁を感じてしまいます(しかも、ラストでも彼女を偲んで一働きしてますし)
 真面目な歴史ファンの方も、ロマンスとかエロスを期待させるタイトルに引いたりせず、是非ご一読をお願いしたい所です。
【総評】:甲冑の付け方、弓の引き方etcの細かい描写の面白さも健在です。評価は☆☆☆☆★。
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌



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