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SS戦闘記録
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大久保町の決闘 2007.03.31.早川書房刊、ハヤカワ文庫JA所収。
 著:田中哲弥/イラスト:長澤真

粗筋──
 受験勉強のため、大久保町の祖母の家に泊まりに行く事にした普通の高校生・光則。しかしそこはただの田舎町ではなく、拳銃の所持・決闘・悪漢「ワナブラザーズ」・アホな住民etcが許される異界であった。早速銃撃戦に巻き込まれ、右往左往する光則。しかし彼が伝説のガンマン・詠の息子であると分かった事から事態は急転。光則は保安官助手に任命され、町で知り合った可愛い少女・紅葉を守って奮闘する羽目に……果たして光則の運命や如何に。

 1993年12月に電撃文庫より発売された伝説のライトノベル。鬼才・田中哲弥のデビュー作として注目されていたが、田中自身が寡作で新刊を出さなかった為増刷が掛からず、長らく絶版状態であった。しかし今回田中がハヤカワに移籍し、久々の新刊「ミッションスクール」を出した事により、遂に復刊の運びと相成った。

 実は小官もこの小説は名前だけは聞いていたが読んだ事は無く、今回の復刊は非常に嬉しかった。早速読んで見たのだが、とても10年前の作品とは思えない新鮮さを感じた。
 勿論、主人公が気弱な普通の少年で、異界に行って少女に出会い、父親から受け継いだ特殊能力に目覚め、難局を解決してハッピーエンドと云うプロットは古めかしく、其処を以ってブギポ・キノ・禁書・いぬかみ・ドクロちゃん等現在の錚々たる電撃メンバーを凌駕しているなどと妄言を吐く積りはないが、情け無い主人公の心境を描いたギャグ調の地の文は非常に面白く、これほど赤裸々に自己を曝け出した文章はなかなか書けず、この辺は今時の小奇麗に纏まった電撃文庫作品には無い「迫力」を醸し出しているのではないだろうか(最近の例で云えば、「イリヤの空」の主人公のヘタレっぷりが一番近いかもしれないけど、アレは鬱だからなぁ。笑い飛ばしてくれるこの作品とは方向性がちょい違うような)

 ただ、ヒロインの紅葉のキャラが固まって居らず、純情と見せ掛けて陰で小悪魔的な笑みを浮かべて見たりと計算高いキャラであるとの伏線を出しながら、ラストまで普通のヒロインで終わってしまったのは残念。これだけは、矢張り数世代を経て洗練された今の電撃の新人作家さんとかの方が上手いかも(^^;
【解説】:復刊とは言い条、イラストを旧作の此路あゆみ氏(うーむ、この名前も懐かし過ぎるw)から「疾走! 1000マイル急行」の長澤真氏に変更し、更に新作短編小説を付けているので、前作を所持している人でも楽しめるものと思います。評価は☆☆☆☆★。
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テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌



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2007/04/11(水) 23:10:17) | いま人気のコトバとは?
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