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SS戦闘記録
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李世民 2005.06.22.講談社刊、ハードカバー。
 著:小前亮。

粗筋──
 隋の煬帝の失政により乱れた中国を舞台に、新たな王朝を築かんとする李世民とその配下の軍師・勇将達の活躍を描いた長編書き下ろし歴史小説。

 「これが処女作?冗談だろう」と云う田中芳樹御大の力強い推薦文に惹かれて購入。

 内容は、李世民が父を唆して挙兵し、劉武周・王世充・董憲徳と云った群雄を破り、そして最後に兄を暗殺して皇位を継ぐまでを駆け足で描いた物。
 文章は手馴れており、安っぽい擬音現代用語を使わない辺りは好感が持てた。また近頃流行りの架空忍者が活躍したり、架空商人が資金提供をしたり、悪霊や占い師がしゃしゃり出たりと云うご都合主義も無く、更に過剰な思想の押し付けだってないまま自然に最後まで読了出来た(どれも当然と云えば当然なのだが時々プロの作家でもこの辺が出来て居なかったりするので(^^;))。なるほど、これは正に「全盛期の田中芳樹の小型バージョン」と云った風貌……田中芳樹が誉めるわけだ(^^; まぁ、小官は初期の田中芳樹の中国長編が好きだったので、全く文句は無いんですけどね。

 但し、不満な点も幾つか。
 先ず、李世民が天下を取るまでの長い長い物語を、特に重点を定めず一冊に纏めた為、全体に駆け足になってしまい、重要な合戦も数ページで終わってしまったりしている事。
 また一応主人公は李世民なのだが、配下の武将も多く、更にライバルの董憲徳の描写にまで意識を割いてしまった為、主人公の性格が薄っぺらくなったり、配下武将も戦闘マシーン程度の個性しか発揮していないのもちょっと寂しい……秦宝叔とか、田中芳樹の小説で出て来た時には短いシーンでも印象に残ったのになぁ。
【総評】:田中芳樹の煽り文句ほどではないにしても、最初の作品としては十分な出来かと思われます。ヤオイ崩れの腐女子小説家ばかりが巾を利かせている中国歴史小説界においては非常に貴重な新人なので、今後もフォローして行きたいです。

 取り敢えず、飛竜伝注文してみた。
<追記>
 以下は邪推。

〈小前亮〉1976年島根県生まれ。東京大学大学院修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。在学中より歴史コラムを発表し、
(有)らいとすたっふ入社後、小説執筆にとりかかり、「李世民」でデビュー。
bk1著者紹介より)

 えーっと、真逆田中センセイ、身内だから贔屓したとかそんな事は無いですよねw まぁ、実際詰まらない小説と云う訳ではなかったので良いんですが。
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌



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