生きてるだけで精一杯。
SS戦闘記録
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風は山河より02 2006.12.01.~2007.03.20.新潮社刊、ハードカバー。
 著:宮城谷昌光。

粗筋──
 清康死後、その遺領に織田信秀が侵略を開始、三河は戦乱の時代を迎えた。窮地に陥った松平氏は今川義元に救援を要請。義元は軍師・大原雪斎を派遣し、三河を平定する。菅沼定則も松平氏を助け、共に今川に付くが、今川氏は桶狭間の合戦で凋落してしまい、定則の後を継いだ定村も今川氏の三河攻略の戦いの中で犠牲となってしまう。今川の衰退と父の死に対する今川の薄情さを見極めた三代目・定盈は今川を離反。同じく今川を離反した松平元康こと徳川家康を主と仰ぎ、三河平定・遠州侵攻に尽力する。しかし、今川の崩壊は、徳川家が強豪武田信玄と直に国境を接する事も意味していた。迫り来る武田軍に対し、弱小菅沼氏の命運は風前の灯火に見えたが、定盈は三代に渡って蓄えた陰徳・人との縁・着々と蓄えた武力で信玄の鋭鋒を凌ぎ切るのであった……。

 優れた中国歴史小説家は優れた日本歴史小説家たりえるか? を問うた長編歴史小説が遂に完結。

 結論から云えば、十分に通用すると思います。人物の描写もちゃんとしてるし、起承転結もしっかりしてるし。序盤は活躍したご都合主義忍者も後半から影を顰めたのもいい感じです……ま、どれも当然っちゃー当然ですが、日本歴史小説作家の陣容と来たらラノベ以上に薄いんだから仕方が無いw
 また、掛川出身者としては三河・遠州出身武将に対する贔屓が心地良かったですね。朝比奈氏を「今川氏の核となる精強な氏族」と描いたり、泰朝を精強な勇将とか家康が配下にしたがっていたとか云ったり、または雪斎を外交家ではなく外交と軍事を平行して行う玄妙の巨人として描いたり、もうお腹一杯って感じでした。静岡出身者、特に県西部の人は必見です。

 難点としては、家康が家を継ぐ辺りまでは三河全土の情景と野田氏の動きがリンクして描かれていたのに、家康以後は急に三河東部と遠州に舞台が限定され、三河全土の動きが掴めなくなってしまった事でしょうか。それまでは持っていた物語の広がりが、急に狭くなってしまったような感じがして残念でした。代わりに出て来た信玄軍も、秋山一人しかいないみたいな状態だし……まぁ、弱小野田菅沼氏がどうして天下の武田氏を阻めたか? と云うのが作品のメインテーマだから仕方が無いと云えばその通りなんですが(と云いつつ、続編の「新三河物語」も中日新聞で連載が始まりましたから、その辺はこっちでフォローすると云う商業的な判断かもw)
【総評】:いつもの宮城谷節ですが、それでもよければどうぞ。読み易いし、変な政治批評も無いので、気楽に読める暇潰しにはなります。評価は☆☆☆★★。
<個人的お気に入り>
 世間的な評価は最低に近い今川氏豊「融和を心掛けて家の健在をはかり、実際彼の文治は低迷していた家運を高め、勢威を拡大した」とか、「尾張八郡のうち二郡が帰参した」等と誉めそやしているシーンに感動。
 しかも、彼を騙し討ちで追放した信秀には「その息子も騙し討ちに遭って死ぬのは、正に親の因果が子に報いってやつやねw」……大丈夫か、宮城谷センセ? 尾張在住の信長ファンとかに急襲されかねんぞ(ぉ
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌



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